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業者に頼らず対策できる?トコジラミ駆除の心得
トコジラミは、カメムシのような形をした、茶色く小さな昆虫です。
飛ぶことはできませんが、主に夜間に活動し、就寝中の人の露出した部位を狙って血を吸います。
厄介なのが、その繁殖力。個体の寿命は半年〜1年ほどですが、メスは毎日のように卵を5個前後生むため、住み着かれるとあっという間に数が増えてしまいます。
ここでは、駆除至難害虫とも呼ばれ、一度侵入されてしまうと根絶が困難なトコジラミの主な駆除方法。また、根絶のために押さえておきたい生態を解説したいと思います。
効果が見込めるのは有機リン系またはカーボメート系の殺虫剤
家庭用に市販されている殺虫剤の多くは、ピレスロイド系と呼ばれる殺虫成分を含んでいます。
しかし恐ろしいことに、近年世界中で問題視されているトコジラミは、ピレスロイド系の成分に対して遺伝的な耐性を備えています。
厚労省の発表によると、日本国内で確認されているトコジラミも、9割以上がこの特性を持っているとのことです。
したがって手持ちの殺虫剤を使っても、多くの場合十分な効果は見込めません。
殺虫剤でトコジラミを駆除するなら、まだ耐性の確認されていない有機リン系、あるいはカーバメート系の殺虫成分を含む薬剤を使うようにしましょう。近年はこれらにも耐性を持つ個体が確認されていますが、ピレスロイド系よりは効果が見込めるはずです。
有機リン系、カーバメート系の成分を含む製品は医薬品扱いとなりますので、基本的には薬局でしか取り扱いがありません。誤って効果の薄い殺虫剤を購入しないよう、事前に含まれる成分をしっかり確認されることをおすすめします。
トコジラミを駆除するその他の方法
以下は、身近な手段でトコジラミを駆除する方法です。
ただいずれも場当たり的な対応であり、すべての状況に適用できるものではありません。トコジラミの生態(隠れ家や卵を生みつける場所等)を踏まえた上で、柔軟に駆除方法を組み合わせることが大切です。
掃除機で吸引する
必ずしも死亡が見込めるわけではありませんが、掃除機で吸引して、紙パックごと処分してしまえば、一気に数を減らすことができます。
高温あるいは低温にさらす
多くの昆虫と同じく、トコジラミは極端な高温、あるいは低温に弱いです。
100度近くの熱湯をかける、あるいは、ドライアイス洗浄機などを使って低温に数秒さらせば、死亡します。
家具・衣類・寝具類を処分する
家具や衣類。寝具類にトコジラミが隠れていたり、卵を生みつけられていたりする可能性があります。
前述の通り高温、あるいは低温にさらせば死亡しますが、金銭的、心理的な抵抗がなければ、衣類・寝具類を丸ごと入れ替えるのも一つの方法です。
またその際は、逃げられたり卵を落としたりしないよう、全体に殺虫剤を散布するか、品物を密閉した上で作業することが大切です。
住処となる隙間をなくす
トコジラミは、隙間を好みます。部屋中を整理して隙間という隙間をなくせば、隠れ家が減り、トコジラミが居付きにくい環境となります。
対策の前に知っておきたいトコジラミの生態
トコジラミは夜行性の昆虫で、多くの場合、寝室を住処にします。
たとえば布団やベッドの裏、畳や押し入れ、家具の隙間などに集団で潜んでいて、夜になると這い出してきます。産卵は隠れ家でしますが、ほぼ毎日行われるため、意外に身近な場所に卵が生み付けられていることも少なくありません。
卵は、気温にもよりますが、25度前後であれば2週間で幼虫、40日前後で成虫となります。幼虫から成虫までに5回の脱皮を行うため、抜け殻や糞(栄養源は血液のみのため墨汁のように黒い)が住処を見つけるヒントとなります。
殺虫剤をはじめ、何らかの方法でトコジラミを駆除するなら、こうした痕跡を見つけ、成虫、幼虫、そして卵を根こそぎにすることが非常に重要です。
専門知識がないとトコジラミの根絶は難しい
トコジラミの隠れ場所は多岐にわたります。また個体を駆除しても、卵を見逃すとほぼ確実に再発します。
もし知識が乏しかったり、独力での駆除に不安があるようなら、管轄の保健所の衛生指導課に、どうすべきか相談してみると良いでしょう。
スピード感を重視するなら、害虫駆除の専門業者に問い合わせるという方法もあります。
宿泊施設などであれば、単純なトコジラミの被害に留まらず、風評被害による二次的な損害で大打撃を被るリスクも考えられます。
可能な限り早く、状況に合わせた対策を検討してみてください。
トコジラミ対策について、詳しくは以下のページをご覧ください。
トコジラミの駆除・対策