本に湧いた虫はダニじゃない?その正体と駆除方法
本棚やクローゼットにしまい込んでいた本を久しぶりに手に取ってみたら、何やら小さな虫が……。家の中でごく小さな虫を見つけると、一番に思い浮かべるのは「ダニ」ではないでしょうか。
しかし実は、本についている虫の正体はダニではありません。ダニはとても小さく、人間の目には見えないのです。
今回は、本についている虫は一体何者なのか、またその虫を駆除する方法についても解説してみたいと思います。
実はダニじゃない?本に湧く虫の正体とは
本につく虫は、主に以下の3種類です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
シミ
体長は8〜10mm程度ととても小さく、銀色の胴体と長い触覚と尾が特徴。漢字では「紙魚」と書く通り、小さな魚のような形をしています。とても素早く動きながら、本などの紙製品や衣類、ほこりなどを餌にして生きています。
日の当たらない湿度の高い場所を好んで住み着く性質があるため、押入れやクローゼットの中などに置きっ放しにしている本は要注意です。
チャタテムシ
体長は1〜2mm程度、淡い褐色が特徴の虫です。餌を食べる時の咀嚼音がお茶をたてる時の音に似ていることから「茶立虫(チャタテムシ)」という名前が付けられました。
チャタテムシは、特に本や本棚についたカビを好みます。そのため、押入れやクローゼットなどだけでなく、結露しやすい窓際などのジメジメしやすい場所にもよく発生します。
シバンムシ
体長は約2〜3mm程度、赤褐色や茶褐色。餌を食べる時に鳴らすカチカチという音が、死の時を告げる時計の音に聞こえることから、英語では「死の見張り番(death-watch beetle)」と呼ばれ、そこから日本では「死番虫」という名前が付けられました。
シバンムシは、トンネルを掘るようにして本をボロボロにしてしまいます。また、本だけでなく、家の建材や食品などあらゆるものを食べてしまうため、大量発生してしまう前に早めに駆除しましょう。
本についた虫を駆除する方法
大切な本についた虫を駆除するのに最も効果的な方法は、虫干しです。湿気が少なくカラッと晴れた日に本を干すことで、虫を駆除することができます。ただし、写真集などは強い日差しに当てると変色や退色の危険性があるため、直射日光は避け風通しの良い日陰に置くようにしてください。
虫はページとページの間に潜んでいることが多いため、本をパラパラとめくって全てのページに風を通すようにしましょう。
可能であれば、虫は粘着シートなどを使って除去するのがおすすめです。掃除機などで吸ってしまうと排気口から出てきたり、中で卵を産んだりする場合があるため危険です。
害虫から本を守るためにやるべきこと
最後に、虫が本につかないようにするために普段からやっておくべきことについてまとめます。
こまめに掃除をする
本につく虫は、湿気とホコリが大好物。つまり、こまめに掃除をして湿気やホコリを取り除いておけば、虫を防ぐことができるというわけです。
本や本棚はホコリが溜まりやすいため、ハタキなどを使って定期的にホコリを払い落としましょう。本棚はアルコールなどを使って拭き掃除をしておくと、清潔に保つことができ、カビの予防にもなります。
換気をして湿気をためない
本をまとめて置いておくと、どうしても湿気が溜まりやすくなります。特に窓際や、押入れ、クローゼットなどはジメジメしてしまいがち。虫は湿度が高く風通しの悪い場所を好むため、定期的に虫干しをして湿気を取り除いてあげると良いでしょう。
押入れやクローゼットになどにしまう場合は、除湿剤を置いておくのもおすすめです。
また、引っ越しの際にダンボールに入れたまま放置しているという方も多いのではないでしょうか。ダンボールは、湿気やホコリをため込みやすく害虫の温床となるため、すぐに開梱して虫干しをしてから本棚などに収納しましょう。
防虫剤やハーブを使う
衣類用として売られている防虫剤を、本棚に置いておくことで本に虫がつくのを防ぐことができます。防虫剤というと独特なニオイをイメージする方がいらっしゃるかもしれませんが、最近は無香料のものやナチュラルな香りのものが増えています。
防虫剤はできるだけ使いたくないという方には、虫除け効果のあるハーブがおすすめです。特に効果があるのがラベンダーの香り。紙にラベンダーの精油を数滴垂らして本棚に置いておくだけで、本に虫がつくのを防いでくれます。