ネズミも仲間が傷つくのを避ける事が判明
ネズミは、自宅やビル内に発生すると駆除が非常に難しい害獣の一つです。
小さな場所にも入り込み、繁殖力も高い為にどんどん増えてしまいます。
さらに最新の研究結果では、ネズミは「仲間のネズミに危害が及ぶ行動を避ける」点まで分かってきました。
ネズミには人間に似たような「共感性」がある可能性が高いのです。
ネズミには高い「仲間への共感性」がある
自然・環境学に関する多くの記事を掲載している「ナショナルジオグラフィック」誌によれば、実験用のドブネズミに「仲間のネズミに危害が及ぶ行動」を続けさせると、やがてネズミ自身がその行動をしなくなる、と言う実験結果があるそうです。
仲間へのダメージを避ける行動には、脳の「前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)」という部位が大きく関係しています。
ちなみに仲間を助けるために脳の前帯状皮質を働かせる事が出来る生き物は、今のところ人間以外に見つかっていません。
つまりネズミには人間と同じように共同体を健全に維持していく能力の一つ「高い共感性」がある事が科学的に立証されたのです。
市販の毒餌や殺鼠剤では完全なネズミ駆除は難しい
ネズミはノミやダニ、病原菌を媒介する厄介な害獣です。
ネズミ駆除のためには簡単なトラップ(罠・ネズミ捕り)や毒餌が市販されており、利用されている方も居るかと思います。
但し、これだけでネズミを完全に駆除する事は難しいでしょう。
ネズミ被害に悩む多くの都市では毒餌や殺鼠剤を使用したネズミ駆除が行われていますが、実は即効性の高い殺鼠剤は効果が高くないと言われています。
何故ならネズミは利口な動物であり、殺鼠剤入りの毒餌では少量を食べただけでもう食べるのを止めてしまうからです。
駆除効果が出る量の毒餌をすべてのネズミが食べないので、残ったネズミがたちまち繁殖して、再び被害を発生させるのです。
ネズミは繁殖力が強いので完全に駆除しきれないと、深刻な被害をもたらします。
特に都市部や住宅地では被害が深刻で、世界中が駆除に悩んでいる害獣なのです。
住まいに被害を及ぼすネズミの種類
家に出現するネズミは、主に以下の3種類です。
ドブネズミ
他の2種類と比べて、サイズが大きいのがドブネズミの特徴です。平均体重は300〜400g程度、体長は20cmほどあります。
性格はとてもどう猛ですが、体が大きいためか、それほど素早さはなく、のっしりと動きます。ごくわずかな穴が空いていれば、そこをかじって広げて、家の中に侵入してくることもできます。
ドブネズミは、ジメジメとした水のある場所を好むため、家の台所やお店の厨房に生息します。また、地中に穴を掘って巣を作ることが多く、床下や下水道付近など、地面に近い場所に潜んでいます。
雑食のドブネズミは、肉や魚、お菓子、パンなど、人間の食べ物はなんでも食べます。保管している食べ物だけでなく、生ゴミを漁ることもあるためゴミ捨て場などにも注意が必要です。
クマネズミ
クマネズミの平均体重は250〜300g程度。体長は20cmほどと、ドブネズミに比べると少し小さいです。一番の特徴は、長い尻尾。体長よりも長い尻尾はムチのように動きます。
性格は臆病で、警戒心が強め。寒さに弱いため水の中を泳ぐのは苦手ですが、垂直な壁を登ったり、電線などを綱渡りしたりすることは得意です。
クマネズミは、主に建物の中に巣を作ります。壁を登ることができるだけでなく飛び撥ねる力にも優れているため、2階以上の建物や天井裏、屋根裏などにも隠れることができます。
ドブネズミと同じく雑食ですが、肉や魚など動物性の食べ物を好むドブネズミとは違い、クマネズミは穀物や果物など植物性の食べ物を好むのが特徴です。
ハツカネズミ
ハツカネズミは、クマネズミよりもさらに小さく、体重は15〜20g程度。体長は10cmに満たないことが多いです。とても小さいため、動きは俊敏。少しの隙間に入り込み素早く移動するため、捕獲するのはとても大変でしょう。
一方で寒さにはとても弱く、泳ぎは苦手。警戒心はそれほど強くなく、好奇心旺盛に動き回るのが特徴です。
ハツカネズミは、部屋の外と中を問わず、どこにでも生息します。台所や天井裏、河原、畑など餌を求めてあらゆる場所に出没します。
雑食ですが、特に穀物や野菜など植物性のものを好みます。お菓子など目新しい食べ物にも興味を示すため、こんなものは食べないだろうと思うものでも、ネズミの入り込めない戸棚などにしまっておくと安心です。
ネズミの被害を防ぐためにできること
病原菌の媒介や、火災・漏電など、ネズミの被害は多岐に渡ります。被害を防ぐためにできる3つのことをご紹介します。
エサになるものを置かない
ネズミは、餌を求めて家の中に侵入してきます。特に食べ物がたくさん置いてある台所は要注意。食品は必ず容器や戸棚などに入れるようにしましょう。
また、ゴミを漁る可能性もあるため、ゴミは必ず蓋つきのゴミ箱に捨ててください。
人間の食べ物だけでなく、ペットフードなどもネズミに食べられる可能性があります。
巣の材料になるもの置かない
ネズミは材料を持ち帰り巣を作ります。衣類、ティッシュペーパー、ビニール袋など、不要なものは片付けておきましょう。
また、そのうち捨てようと置きっ放しになっているダンボールや新聞紙も巣の材料になるため、ゴミは速やかに処分してください。
通路をふさいでおく
通気口や排水溝は、ネズミの通り道になります。粘着テープや捕獲器などを設置していても、侵入口があれば新たなネズミはどんどん侵入してきてしまいます。
出入り口となりそうな場所は、金網やパテなどで塞いでおきましょう。また開けっ放しの扉や窓から侵入する可能性もあるため注意が必要です。
深刻な被害の前に専門家に依頼を
生存能力が高いネズミは、都市部では増えていく一方です。
日本のみならず世界中でネズミは増殖し続けており、病原菌を運ぶ等の多大な被害を出し続けています。
ナショナルジオグラフィックの記事にもあるように、ネズミは利口で集団を維持していくことが出来る害獣です。
市販の安易な罠やトラップ、毒餌で駆除を試みようとする前に、専門のネズミ駆除業者に依頼し、深刻な被害が出る前に早い段階で駆除をしてしまう事が非常に重要です。