いま知っておくべき正しい消毒液の選び方とは
新型コロナウイルス感染症の拡大により、消毒液は私たちの生活の中で欠かせないものとなりました。
需要の増加に伴い、ドラッグストアやスーパーなどには、多くの消毒用製品が並びます。どれを選んだら良いか悩んでしまう人も多いでしょう。
今回は、消毒液の選び方についてポイントを解説します。
正しい消毒液の選び方 4つのポイント
厚生労働省、経済産業省、消費者庁は、消毒や除菌効果を謳う商品の選び方について、以下の4つのチェックポイントを挙げています。
参考:新型コロナウイルス感染症対策 消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。
使用方法
消毒液は、主に手指消毒用とモノの消毒用の2つに分けられます。用途によって適したものを選ぶようにしましょう。
有効成分
消毒液にはたくさん種類がありますが、その中でも一般的に使われているのが消毒用エタノール(アルコール)と、次亜塩素酸ナトリウムです。
消毒用エタノールは、主に手指消毒や、室内環境の消毒に使用。キッチンなど火の気のある場所では使用しないように注意してください。また、直接薬剤を吸い込んでしまう恐れがあるため、空間噴霧やマスク噴霧には向いていません。
次亜塩素酸ナトリウムは、主にドアノブや手すり、リモコンなどのモノに使用します。
濃度
市販されている消毒用エタノールは、薄めず、そのまま使用できます。製品によって濃度が異なりますが、アルコール濃度70%〜80%前後の消毒液がもっとも効果を発揮することがわかっています。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液は、市販されている塩素系漂白剤で作ることができます。用途に合わせて希釈して使用しますが、原液の濃度は製品によって異なるため注意が必要です。
使用期限
消毒液には、それぞれ使用期限が記載されています。しかしそれは未開封で保管した場合の期限。開封済みの使用期限に関しては明確な規定はないのが現状です。
日本感染症学会によると、濃度が高い製剤の場合は開封後1〜3ヶ月程度、低い濃度の製剤の場合は2〜3週間程度で使い切ることが望ましいとされています。
消毒液を購入する際は、使用する用途や量を考えて、期限内に使いきれるかどうかを判断しましょう。
参考:院内感染対策講習会Q&A
手指のウイルス対策
手や指についたウイルスは、しっかり洗い流すことが重要です。流水ですすぎ、石鹸やハンドソープを使ってもみ洗い、さらにそれを流水ですすげば、付着したウイルスの数を大幅に減らすことができます。
手洗いの後はさらに消毒液を使用する必要はありません。手洗いがすぐにできない場合は、消毒液を使用します。
手指用の消毒液を選ぶ際は、医薬品・医薬部外品であり、アルコール濃度60%以上のものを選ぶようにしましょう。
モノのウイルス対策
食器や箸、テーブルやドアノブなど、モノに付着したウイルスは、熱湯消毒や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)、界面活性剤が含まれた洗剤、次亜塩素酸水、アルコール消毒液などが有効です。
何を消毒するかによって使用できる薬剤が異なるため、取扱説明書をしっかり読んでから使用しましょう。
また、名前の似ている次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は別物です。使用できる対象や使用方法が違うため注意してください。
空気中のウイルス対策
ウイルスの繁殖を防ぐためには、定期的な換気が重要です。
1時間に2回以上、数分間程度窓を全開にして換気を行いましょう。また、可能であれば2方向の窓を開けると効果的。窓が1方向にしかない場合はドアを開けてください。
消毒液は用途に合わせて正しく選ぼう
手洗いやうがいなどと同様、手指や身の回りのモノの消毒は、今や当たり前のものとなりました。玄関や洗面所などに消毒液を置くようになったご家庭も多いでしょう。
しかし、目的に合ったものを使わなければ正しい効果は発揮されません。消毒液を選ぶ際はご紹介した4つのポイントをチェックして選んでみてください。